9月 始講式

9月1日 学校が再開しました。静かだった学校に、元気な生徒の声が響きわたります。始講式は、暑い体育館を避け、教室でのリモートです。以下に始講式での話を掲載いたします。

   生きて学ぶ

 各地で災害の多い暑い夏でしたが、今は残暑の中にも、どこか秋の気配を感じるようになりました。ふと見上げると、空が少し高くなったように感じられます。今日は9月1日。みなさん、元気に登校できましたか。39日間の夏休みは、充実した時間になりましたか。連日、学校に来て勉強と部活動に励んでいたみなさんの姿は、とても頼もしく見えていました。

 昨年ですが、※「命とは、生きている時間そのものだ」という話をしたことがあります。私たちが生きて、悩み、挑戦し、さまざまなことができるのは、今ここに『命』があるからです。 (※聖路加病院の元院長 日野原重明先生の言葉より)

 私はこの夏、新宿で特攻隊をテーマにしたミュージカルを観てきました。片道分の燃料だけを積み、敵艦へ体当たりに向かった部隊です。 そこにいたのは、今のみなさんと変わらない年齢の若者たちでした。大切な家族や友人、好きな人の幸せをただひたすら祈りながら出撃していく姿に、私は涙を止めることができませんでした。

 劇中、1945年を生きる主人公が、現代と一瞬だけ繋がったラジオを通して、令和のラジオDJにこう問いかけます。 「今の日本は、いい国ですか」 DJが「……いい国だと思います」と答えると、若者は「よかった」と笑顔を残し、出撃していきました。終戦の日の朝のことです。

 実は、ここ鉾田の地にも、日本で初めての特攻隊員が沖縄やフィリピンへと旅立った「陸軍航空学校」の跡地があります。毎年10月には、全国から様々な方が慰霊に訪れています。 戦争は遠い昔の出来事ではありません。そして今もなお、世界はさまざまな脅威にさらされています。

 未来を生きるみなさんには、まだ知らないこと、出会っていない世界がたくさんあります。 だからこそ、学んでください。学ぶことによって、物の見え方はガラリと変わります。自分の生きる意味や、果たすべき使命も、学びの中で必ず見えてきます。

 『論語』にこういう言葉があります。 「学びて思はざれば則ち罔(くら)し。思ひて学ばざれば則ち殆(あやう)し。」 教わるだけで自分で考えなければ、本当の力はつきません。逆に、自分の考えだけに閉じこもり、他者から学ばなければ、視野が狭くなり危険です。

 未来を生きるみなさんには、まだ知らないこと、出会っていない世界がたくさんあります。 だからこそ、学んでください。学ぶことによって、物の見え方はガラリと変わります。自分の生きる意味や、果たすべき使命も、学びの中で必ず見えてきます。

 今、みなさんにできること。それは「真剣に学ぶこと」です。

 特に高校3年生。共通テストまで、あと137日です。 途中で心が折れそうになったり、弱気になったりしたときは、自分自身に問いかけてみてください。 「本当に、ここで諦めていいのか?」と。 今日という一日、一瞬の時間を、どうか大切に使ってください。

 仲間とともに学び合い、高め合いながら、今日からの日々を、実り多い時間にしていきましょう。応援しています。