【校長コラム 令和6年度 第2号】
鉾一生の努力と品格
先月の県東地区中学校の陸上競技会では、2位の100メートル女子をはじめ6名の附属中の生徒が見事県大会への出場権を獲得しました。高校関東陸上県予選でも、9名の選手が関東大会出場決定、これで29年連続関東大会出場という歴史を刻みました。さらに、女子ソフトテニス部も関東大会出場、競技かるた部、美術部も全国総文祭への出場が決まりました。
県の主催するグローバル人材育成プログラムにおいて4月の「ワールド・スカラーズ・カップ」東京大会を勝ち抜き、夏の世界大会(韓国)への出場権を得た高校生もいます。(決勝戦は、アメリカのイェール大学で行われます)華々しい入賞とまではいかなくとも、何事にも努力を惜しまない生徒が多いのは本校生の誇るべき特質です。
ひとつのことを、真面目にこつこつと続け、磨き上げて行くには、様々な制約や我慢が必要です。短い休み時間内での移動、60分の集中授業、放課後まっしぐらに部活動に向かう姿、相手のことを考え、心配かけまいと快活に振る舞う本校生の姿は、さながら求道者のようです。
もう少し、ゆるく考えたり行動したりでもいいのでは?という考えもありますが、この制約や苦しさは、成長する上で欠かせないものでもあります。
現代は、「自由」や「権利」の名のもとに、あまりにも身勝手な振る舞いのニュースが絶えませんが、相手の身になって痛みを感じ、誠実さと努力を忘れない本校生の姿こそ、希望の光であると考えています。
数学者の藤原正彦氏は、「自由という言葉は不要であり、人間には生まれ落ちたときからそもそも自由などはなく、法律以外にも道徳や倫理、組織の規則、協調など、あらゆるものに規制がある。権力を批判する自由さえあれば、自由は規制されていい」と『国家の品格』の中で語っています。
あえて極端な言い方をしていますが、言論の自由の名の下、SNSでの誹謗中傷や相手を傷つける言動は、藤原氏に言わせれば「卑怯者」です。
最近、『国家の品格』を読み直し、グローバル社会に対応するための新たな教育に取り組む中、変わらないもの、変わってはいけない人としてのあり方を、改めて考えています。昨今の日本人の品格の廃れた状況を憂えるばかりではなく、自身の襟を正し、世界に通用する「品格ある鉾一生」を育むことに傾注してまいりたいと思います。
6月1日 飯山美都子
本校は、令和6年度から
文部科学省DXハイスクール(高等学校DX加速化推進事業)採択校
WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業連携校
茨城県チャレンジ・プロジェクト重点校となりました。
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