【校長コラム 令和6年度 第6号】
繋ぐ
9月6日、本校で初めて、茨城大学の太田寛行学長をお招きして進路講演会を開いた。
中学生・高校生が、高等教育機関としての大学での学びがどのようなものであるかを知り、社会で必要とされる学びについて考える企画である。真理の探究を価値基盤とする大学が、専門分野の研究のみならず、現在は、より良い社会の創出のために、自治体や企業、様々な分野を繋ぎ、協働的・実践的なネットワークとなっていることを改めて知る機会となった。今回の講演で、未知の分野に挑戦することや文系理系を問わずに学べるプログラム、教育分野の取り組みなどに、生徒たちが大いに興味関心を持つことができたことは収穫である。
さて、創立100年を超える本校は、茨城大学への進学者をはじめとする優秀な卒業生を輩出し、多くの人が教員となって地域の教育を支えてきた。そのバトンを繋ぐため、独自の教員養成企画「学校の先生になろうプロジェクト」略してGSNPが始まって7年目になる。その間、文科省の教育改革、GIGAスクール構想、働き方改革、部活動改革など、改革の嵐の中、やっと教員の処遇改善に向けての動きが高まってきたこと自体はありがたい。
ただ、本校の先生たちを見ていると、本当に生徒たちが好きで、この仕事が好きで頑張っていることがわかるので、改革の名の下、創造的で自由度の高い教育という仕事に、様々な制限を加えてしまうことを憂慮している。
10月13日、GSNPのメンバー(高1・高2)が、東京学芸大学の東京エデュケーション・ショーで学校の先生についての探究発表を行った。彼らはこの数ヶ月間、何度もディスカッションを重ね、今の先生たちや未来の自分たちへのよりよい提案を考え、プレゼンする準備をしていた。ある班のタイトル「GSKP」に目がとまり、生徒に意味を尋ねると「学校の先生を輝かせるプロジェクトです。」という。学校の先生たちの大変さを理解し、そのような状況下でも、自分たちに労を惜しまず向かい合ってくれていることへの感謝(同情?)も込めて、先生たちが疲れてしまわず輝く提案を考えてくれていると知り、温かい気持ちになった。
「繋ぐ」と言う言葉が頭に浮かぶ。2021年に文科省がはじめたSNS『教師のバトン』は仲間を繋ごうとして炎上してしまったが、鉾一のGSNPは今、生徒たちと先生たち、そして、大学の先生たちを繋いで、新しい一歩を踏み出している。
10月 学校長 飯山美都子
本校は、令和6年度から
文部科学省DXハイスクール(高等学校DX加速化推進事業)採択校
WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業連携校
茨城県チャレンジ・プロジェクト重点校となりました。
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